Love is a four letter word
「素直に好きといえなくて」(クレア・コールマン著/高山祥子訳)。
久々に家で休日を過ごし、このちょっと厚めのラブストーリーを読み終えた。
私は主人公のベラみたいに恋人と死別した経験はないけれど、言葉足らずのために後悔したり大損をしたりということはよく体験してきた。
大事なところでとても臆病で、先を予測して恐れるあまりに本心と逆の言葉や態度をとってしまうベラ。
同情というより同化というべきだろう。
私はまさに彼女の物語を自分のものとして体験して、つらさのあまり胸がしめつけられて泣いた。
「そう思ってるならちゃんとそこで言わないでどうすんの?」とか「こういう時はなんらかのアクションを起こすべきだ」なんて、ハッキリしない主人公に対し腹立たしく思うんだけど、はたして私がその場にいたら今思うようにできるんだろうか?
一番うまくいっている時に、変な不安感に襲われるのは、なぜなんだろう。
私もベラと同じように、夜中に目を覚まして、不安でたまらなくなることがよくあった。
ベラは体じゅうの毛穴からウィルを吸収してしまおうとするかのように、彼にしがみついた。まぶたをきつく閉じ、歯を食いしばる。涙があふれそうだった。ずっといっしょにいさせてください。ベラは、言葉に出してしまったら望みがかなわないと恐れる子どものように、心の中で祈った。ずっといい子にしていれば、大丈夫ですか? おねがいです、いっしょにいさせてください。おねがいします。
「永遠」なんてありえない。
相手の言葉を本気にとらえて期待することはやめようと思っていたし、別れた後に手許に残したくないから写真を一緒に撮ることも極力避けた。
結局自分が傷つきたくなかったから。
ずるいんだろうな、やっぱ。
相手の言葉を素直にそのまま信じてみること、自分の考えていることを全て伝えること。
どうせ駆け引きなんかできっこないんだから。
本や映画で普通に泣けるようになっただけで私としてはかなりの進歩だ。
たぶんこの先の恋の相手には自分の気持ちをまっすぐに伝えられるような気がする。
少しは甘い言葉を信じてみてもいい。
永遠じゃなくったって、その時その瞬間をめいいっぱい楽しまなきゃもったいないし。
無駄な後悔は二度とするもんか。