« 赤い糸の話 | メイン | 片想い »

恋の話。(採録)

「最近人恋しくてしょうがないんだよねー。恋がしたい」
「ああー」
「恋してるー?」
「してない、かな?」
「……なんかしてるっぽい」
「してないしてない。っていうかー、会社に若い男いっぱいいると思ったらさー、みんな既婚者だったんだよね。いい人もいるのにねー。鑑賞用って感じ?」
「そっかー」
「しかもさー、みんな社内恋愛(で結婚)らしいんだよねー。今更参入できないよね」
「まじで?」
「そういえばさ、この前おもしろいことがあってさ。月に一度仕事でメールをやりとりする関連会社の人がいるんだけど、こないだメールを送る前に部署名を確認してからにしようと思ったら、その部署が名簿にないわけ。先月返事がなかったから、もしかして異動とか退職したのかと思ってよく考えたら、ウチの会社に部署ごと引っ越すって話があってさ。で、メールに、もしかしてこっちに移ってきてますか?、って付け加えて送ったら、『後ろにいるおっきいのが僕です』って。なんと真後ろの席にいたんだよねー。すごくない?」
「笑えるー。その人はどうなの? イケてる?」
「顔はまあ普通? でも私、顔は適度であればいいからさ。それよりホントおっきくて、挨拶しに行ってびっくりしたんだけど、まさか初対面で『2Mありますか?』とか聞けないじゃん。でも背が高いだけでハードル一つ越えたっていうかシード権ありって感じなんだよね」
「ふーん」
「でもまあ、またそれも鑑賞用か。あんまり関わりの無い部署だからさ。けど、そういう楽しみがあると会社行くの楽しいでしょ?」

「年上と年下とどっちが合うと思う?」
「えー。年上よさそうだよねー。でもどうかなあ」
「なんかみんなに年下がいいんじゃんって言われるんだけど、そうかなあ?」
「ああー。そうかもねー。それもある」
「確かに自分でもなんかかわいがる感じがいいんだよね。よしよしってしてあげるみたいな」
「最近私、許容範囲広くなったっていうかさ、前はすごく年上がよくて、少なくとも同い年が最低ラインだったワケ。でも今は別に年下も悪くないかなって思うんだよね」
「ああ、それはあるねー。きっとそれは大人になったってことだよ」
「そうかなー」
「なんか、こう、余裕が出てきたっていうかさ」
「そうかもねー。現実を見るようになったっていうのもあるけどね。我に返ったっていうか、選んでる場合じゃないし」
「確かに」

「前の彼氏はどこがよかったわけ?」
「どこって言われてもなー」
「今だから言うけど、実は結構あの人疑問だったんだよねー」
「ああー。まあね。一緒に働いてるとよく見えるじゃん。私より長く働いてるしさ、いろいろ知ってるの当然なんだけど、こっちにとってはそれがスゴイわけ。だから向こうが会社辞めたらどこがいいんだかわかんなくなってたちまち冷めちゃった」
「あはは」

「けどさー、あんまりすっごいべたべたに惚れるってことないでしょ?」
「えー、そう?」
「目がハートマークになってんの見たことないよ」
「あはは。まあ、見た目にはわかんないかもしれないけどさ」

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://beedama.ciao.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/41

コメントを投稿