クラシックなんかやる人間は特別な人間だと思われてる気がする。 黒い服着てかしこまってステージに立つだけで、どえらい人間に見えてしまうらしい。 だけど、楽器やってる人だって、生身の人間。たまたま楽器をやっているだけの、どこにでもいる人たちだ。 笑ったり、怒ったり、泣いたり、人生いろいろ、男も女もいろいろ。 かつて所属した学生オーケストラには、本当にいろんな人たちがいた。 食べるのに困るほどお金が無かったり、恋に悩んだり、突然思い立って遠くに出かけたり、パチンコとマージャンに明け暮れたり、酔っ払って警察のお世話になったり。 100人近い人たちが一緒にいたら、それだけで一つのコミュニティ。 生まれも育ちも住んでいる環境も好みも違う。 私にとっては、もしかしたら楽器よりもそのことの方が興味深く、魅力的だったのかもしれない。 世の中はこんな風にたくさんの人が寄り集まって成り立っているってことに初めて気付いたその場所のことを書いてみようと思う。
る。 2004年6月20日、記
※この物語はフィクションであり、事実とは多少(?)異なります。 語り手も出てくる人たちも、モデルはいても名前も含めて実在の人物ではありません。
東京都交響楽団の活動を応援します。 →都響ジャーナル 都響 都響の「小中学生のための音楽教室」で楽器の魅力に気付いてしまったかつての子供の一人として、自分にできることがあれば少しでも何かしたいと思う。 両手の中にある大切なものを一つでも多く残すことを考えないと、このまま何もかも失ってしまう。そんな気がする。 |